こんにちは、たもです。
本日は、老化のメカニズムや若返り、不老への最先端技術を特集した
newtonに掲載の「不死のサイエンス」に関してです。
トピックスとしては3つです。
1.老化とは何か
2.老化の12の特徴
3.老化への対処
1,老化とは何か
まず、老化の原因はDNAの読み取りミスによるものです。
人体は何百種類という細胞で構成され、さらに多数のタンパク質を働かせて生きています。
このタンパク質などを作り分けるため、DNAには印(専門的に「修飾」)が付けられています。
DNAについた印や印をつけることを「エピゲノム」と呼んでいます。
比喩でいうと、このエピゲノムは付箋のついた料理本のようなものです。
中華や洋食など食べたい料理について、付箋の種類を色分けして(例えば中華なら赤など)付箋に沿って行けば
統一感のある料理ができます。
はじめはこれらの付箋が正しくついていますが、時間がたつにつて剥がれ落ちたり、
別のところに貼られて、統一感のない料理ができ上がります。
これが老化の正体です。
2.老化の12の特徴
老化の要因とはなんでしょうか?
分子、細胞レベルで老化がどのように進むか、下記12の特徴があることが論文で紹介されています。
※カルロス・ロペス=オーティン,「老化の特徴」
①ゲノム不安定
DNAが不安定になり、遺伝子の変異につながる
②テロメアの短縮
テロメアとは染色体の末端を保護する部分を言います。細胞分裂するたびに短縮する
③エピゲノムの変化
後天的にDNAに印をつけるエピゲノムに変化がおこる
④タンパク質恒常性の喪失
タンパク質が分解されるなどで失われてしまう
⑤オートファジーの機能低下
オートファジーの働きが悪くなる
⑥栄養センシングの異常
栄養を検知して、情報を伝える仕組みに異常が起きる
⑦ミトコンドリアの機能異常
エネルギーを生産する働きに異常がおこる
⑧細胞老化
老化細胞が周りの環境を変化させる
⑨幹細胞の枯渇
未成熟の細胞である幹細胞が枯渇し、全身の細胞を維持する働きが低下。
⑩細胞間コミュニケーションの変化
細胞同士、または細胞の中で働くシグナル物質に変化が起こる
⑪慢性炎症
免疫細胞の低下により、慢性的な炎症が発生
⑫腸内環境の変化
栄養採取などに必要な腸内環境の多様性が変化する
またこれらの12の特徴は、老化の原因というだけでなく、
人為的に操作できることがマウス実験などでわかっています。
これらの特徴をそれぞれ研究し、影響を抑えることで、老化を遅らせることができると考えられています。
3.老化への対処
現在世界中で老化抑制や若返りの研究が進められています。
エピゲノムを正しくする方法や老化細胞を除去する方法などがありますが、
まだ研究段階になりいつ実現するかは不透明です。
一方で老化抑止に関しては今すぐ取り組めることが数多くあります。
長寿者の多い地域には下記5つの共通点があると言います。
①つよい社会との繋がり 孤独になるとストレスを感じ老化につながる
②健康的な食事 カロリー制限やいつ誰と食べるかも重要
③適度な運動 筋肉、心肺機能を高めることで同年代の3〜5倍死亡率が低くなる
④ストレスのない生活
⑤人生の目的、目標
これらの項目を生活の中で意識することで、健康に長く生きていくことができます